親子で楽しむ! 新連載「いきもの博士の研究室」ARTICLE


噛まれたら、その日ばかり!?
変わった名前のヘビたちの秘密 Part2

生き物が大好きで、なんでも知りたがりのダヴィンチ君。
家のすぐ近くにある、いきもの博士の研究室にいつも遊びに行っています。
優しいいきもの博士は、いつもダヴィンチ君の質問や疑問に答えてくれます。
そんな二人の研究室でのお話を中心に、昆虫をはじめ、生き物の生態、活動、不思議を
連載でお届けします。ぜひ、お子さまと一緒にお楽しみください!
これを読めば、生き物がもっと好きになる!

ヒバカリを飼ってみよう!

都会の公園にも暮らす、毒がなくておとなしいヘビのヒバカリ。博士がその飼い方をダヴィンチ君に教えてくれるようです。

ダヴィンチ君「ヘビって、あまり飼うイメージがわかないなあ。そもそも普段はどこにいて、何を食べているの? 」
いきもの博士「ヘビには、夜行性の種類と昼行性の種類があるんだ。といっても、よく見られるヘビで夜行性なのはマムシくらいで、他はだいたい昼行性。ヘビは活動する時間以外は基本的に岩の隙間や落ち葉の下なんかに隠れているよ」

「僕がヒバカリを見たときは、ちょっと木が生い茂っているところの落ち葉の上にいたよ。エサを探していたのかな? 」
「そうだね。ヘビのエサは、カエルやトカゲ、ネズミといった、他の小動物なんだけど、ヒバカリは他のヘビがあまり食べないある生き物を好んで食べるから、落ち葉の上で見つかることが多いよ。なんだと思う? 」

「落ち葉の上で探す生き物だよね。うーん……」
「普段は土の中にいて、落ち葉から出来る腐葉土を食べている。ヘビと同じで足がない……」

「あ、ミミズか! ヒバカリはミミズを食べるんだね。でも、落ち葉の上にまで出てくるかなあ?」
「ミミズは、意外とよく地上に出てくるんだよ。まず、彼らの天敵は同じく土の中に暮らしているモグラ。モグラがトンネルを掘るとき、土に振動が伝わる。その振動を感知すると、ミミズは食べられないように本能で地上に飛び出すんだ。この本能は、モグラ以外の生き物、例えば鳥なんかが土の上を歩いて地面に振動が伝わったりしたときにも発揮されてしまうことがあるんだ。地上に出てきたミミズは当然無防備だから、ヒバカリの恰好のエサになるのさ」


(画像)飼育下で、ミミズを捕食するヒバカリ。頭と同じ太さくらいのものでも、カンタンに丸呑みしてしまう。

「そうなんだ。敵から逃げるための本能なのに、他の生き物に捕まってしまうのはちょっとかわいそうだね」
「そうだね。でも、ミミズが住む環境であれば、ミミズたちはまずエサの土には困らないから、すぐに増える。ミミズが食べた土は細かく分解されて、栄養価の高い土になる。植物が良く育つようになるんだ。豊かな植物は、ミミズのエサになる土をさらに豊かにする。そうなれば、ミミズはさらに増える。多少、他の生き物のエサになっても問題ないくらいにはね」

「ミミズは動物も植物も支えているんだね!」
「そのとおり!ミミズは森や林の維持に無くてはならない存在なんだよ。さて、ちょっと話が反れたけど、ヒバカリはそんな、林に行けばたくさんいるミミズを食べているから飼いやすいんだよ」

「たしかに、ミミズなら僕でも簡単に捕まえられるね。他には何を用意すればいいの? 」
「まずは飼育ケース。高さはそんなに必要ないから、そこがなるべく広いものがいいな。ヒバカリだったら、片方の辺が30㎝くらいあるといいね。飼育ケースに土を浅く敷いたら、スーパーなんかで売っている小さいタッパーに水を入れてあげる。あとは、ヒバカリを入れるだけだよ」

「そんな簡単なセットでいいんだね」
「ただ、注意しなきゃいけないのは脱走。ヒバカリは音もなく逃げるから、脱走してしまうとなかなか気づきにくい。飼育ケースはフタがしっかりと締まる物を選ぼう。あとは、室内の、なるべく温度変化が少なくて、直射日光が当たらないところにおいてあげよう」

「分かったよ。それで、ミミズはどれくらいあげればいいの?」
「ヒバカリの頭と同じ太さくらいのミミズなら、2日に1匹。それよりも小さいミミズなら、1日に数匹。彼らは基本食べすぎることがないから、ミミズをピンセットでつまんで目の前で揺らして、すぐ食いつくようなら、与えられるだけ与えても大丈夫だよ」

「結構よく食べるんだね」
「ヘビは丈夫だから、エサをあげる回数を減らしても、すぐに弱ることは無いよ。だから、あげられるときにいっぱいあげるのもいいと思うよ。ただし、ずっとミミズだけを食べていると栄養が偏って、その内食べなくなってしまうから、月に1、2回はメダカとか、オタマジャクシなど別の生き物をあげるようにしてね」

「メダカも食べるんだ!」
「ヘビは基本泳げるから、自然界では小魚を食べることもよくあるんだよ」

「へえー。博士は簡単って言ったけど、結構大変そうだなあ」
「これでも、ヘビの中ではかなり簡単なほうだよ。例えば、アオダイショウだと、成長すると1m以上にもなるから、とても大きい飼育ケースが必要になったり、エサにネズミを飼わなきゃいけなかったり」

「うわあ、それは大変そうだね! 」
「ヒバカリも、春から秋はミミズが捕まえやすいから簡単に飼えるけど、冬はちょっと難しいね。エサの確保もそうだけど、彼らは自然界では冬眠をする。けれど、室内で飼っていると、冬眠することなく、冬でも活動するんだ。それを防ぐために外に置こうとすると、いきなり温度が変わることになるから、ヒバカリは体温調節が出来なくて弱ったり、死んでしまうことが多い。だから、秋になったら逃がしてあげるのがおススメだよ」

「ヘビってなかなか難しい生き物なんだね」
「飼うときは、気を使ってあげないといけないことも多いけれど、飼ってみると、縁起がいいあるものが得られるよ。金運がアップする、と言われている……」

「ヘビのぬけがら!」
「そう、彼らはよく脱皮するからね。ヘビの新鮮な抜け殻は、鱗の模様が残っていてなかなか綺麗だよ」

(画像)ヒバカリとそのぬけがら。脱皮した直後に回収しなければ、このようにビリビリになってしまうことも。

「キレイなぬけがらは見てみたいな。よし、もう一度見つけに行くぞ!」
「ヒバカリは都会にある公園でも、少し雑木林があればいることが多いよ。落ち葉の下や、木や石の下に隠れていることも多いからよく探してみよう!ただし、同じく昼行性で、ヒバカリがいる場所にもいるかもしれないヤマカガシには注意してね」

「ヤマカガシは、毒ヘビなんだよね。噛まれるとどうなっちゃうの?」
「ヤマカガシに噛まれて死んでしまった人もいるくらい強い毒を持っているよ。よし、ヒバカリを探す前に、ヤマカガシについても学んでおこう!」

つづく

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